新年早々、インフルエンザの予防接種を受けることにした。
注射嫌いなので、できることなら予防接種をせずに済ませたいと思っていたのだが、インフルエンザはこれからが本番とのこと。
冬中、インフルエンザが怖くて、家に引き篭っているわけにもいかないし、予防接種には注射だけではなく、Nasal sprayという鼻スプレー(よく花粉症の鼻づまりの時に使いますよね)があると聞き、俄然、興味が湧いてきた。
プリンストン大学のFrist Center(学生会館のようなところで学食もある)へ行き、予防接種の会場へ向かった。お昼すぎに行ったので人もまばらで、問診票を書き込んでいる間に順番が回ってきた。問診票を受付の方に渡しながら、「Nasal sprayでの接種を希望しているのですが」と聞いたところ、「Nasal sprayはないの」と言われ、気が動転した。しかし、もう順番が回ってきている。看護婦さんがこっちに来いと手招きしているではないか!
往生際悪く、看護婦さんに「ちょっと風邪気味なんですよね〜。注射は苦手で」など、一生懸命言い逃れをしたが、まったく通じず、「熱はないんでしょ。大丈夫よ。右と左、どっちに注射する?」と聞かれただけだった。「右がいいのですが、注射が怖いんです」と答えたのに、看護婦さんの笑いを誘っただけだった。けして、面白がらせるつもりではなく本心から言ったのに、ちょっとした冗談だと思われたらしい。
注射を見ないように恐る恐る腕をまくりあげた。看護婦さんが、右手上腕の皮膚を摘み、「大丈夫よ、すぐ終わるから」と行った途端、「はい、もう終わり!」と注射をしたと思われる場所に絆創膏を貼ってくれた。
あまりの早業に感動し、痛いと思う隙もなかった。看護婦さんに深く感謝の意を述べ、深い幸福感と共に、会場を後にした。
去年、プリンストンに着いて、初めて病院に登録に行った時に、血液検査をすることになったのだが、その時の注射の痛さに比べたら、今日のFlu shotは、私の注射に対する概念を根本から覆すほどだった。
Nasal sprayでの予防接種を体験できなかったのは非常に残念だが、わずかとはいえ注射恐怖症を克服することができ、今年は新年早々、縁起がいい。
2010/01/29
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