
大学院生は、主に大学近くのハウジングに住み、大学生のほとんどは寮に入るらしい。もちろん例外もあるが、寮生活は大変楽しいので、みんな大学を卒業し、寮から出ていくのが寂しいとのこと。大学院生でも寮住まいを続けている人もいるらしい。そんなに楽しいならば、ぜひとも寮に一度住んでみたいものだと思ったが、プリンストン大学の学生ではない身としては難しい。
せめて学生気分を味わってみたいものだと思っていたところ、今年に入って友達になった学生Cさん(ヴァージニア出身の19歳)の好意で、寮を見学した後、寮専用の食堂に連れていっていただけることになった。大学のほとんどの施設に入ることができるのに、寮にだけは入ることができないので、残念に思っていたCも大喜び。当たり前だが、セキュリティがしっかりしていて、カードキーがないと寮の中には入ることができない。
彼女が住んでいる寮は今年できたばかりとのことで、非常に新しく綺麗だった。こんな寮ならば、ぜひとも住んでみたい、いや、住ませてくださいと言いたいところだが、バスルームが共用なので、ちょっぴり不便。もちろん、冷蔵庫や洗濯機も各階に数カ所あるけれど、共用だった。最新の設備だけれども、やはりそこは学生用。多少の不便は致し方あるまい。
寮内の写真は、プライベートすぎるので、残念ながら撮らなかったのだが、寮からレストランまで行く回廊の写真を撮ることにした。
写真の場所は、彼女の寮の近くではなく、「ハリー・ポッターのダイニングルームみたいな食堂があるので、そちらに行ってみましょう」と紹介してくれた場所へ向かう途中で撮った。確かに、ハリー・ポッターの映画で見たような回廊だった。しかし、当たり前だがハリー・ポッターのようなローブを来ている学生はひとりもいなかった。

さて、レストランへ入ると、まずは席を確保することになった。外観の雰囲気から、「ここは教会かな?」と勝手に想像していた建物が、件の食堂だった。確かに、ちょっと、いや、かなりハリー・ポッターっぽいかもしれない。
なんとか席を確保した後、その場でグリルしたりサーブしてくれるシェフもいるバッフェへ移動した。「好きなものを好きなだけどうぞ」と言われたのだが、種類が多すぎて何を選べばよいのか判らず迷ってしまう。ハンバーガーやチキン・ビーフ・ポークのグリルにサラダ、ピザやサンドウィッチにラップサンドとタコス、スープ各種にコーラやジュース等々、多種多様なメニューが食べ放題形式で配膳され ている。もちろん、チーズケーキやアイスクリームなどデザートもあったので、ダイエット中の人にはかなり危険な場所だ。
彼女のおすすめは、「本日の特別メニューとフローズンヨーグルト!」と言っていたので、それを試してみることにした。本日はメキシカン料理だった。学生センターの食堂よりも、美味しく種類も豊富で、学生寮から出て大学院のハウジングに移りたくない人の気持も判らないでもない。
しかし、いくら種類があっても、本日の特別メニュー以外は毎日同じものなので、「結構、飽きますよ」とのこと。残念ながら、中華や和食はなかった。学生センターの食堂には"寿司"があるので、彼女は時々食べに行くとのこと。
また、寮専用の食堂を利用するには、ミールプランという、大学の年間お食事プランに加入することになるらしい。毎日、3食を好きな食堂で、好きなものを好きなだけ選べるので、食べ盛り大学生には大人気で、ほとんどの人が加入している。しかし、中華系の学生は早くからキッチン付きの寮に移り、自炊している人が多いとのこと。アジア系の学生にはアメリカンスタイルの食事が、毎日続くのはきついのかもしれない。

食堂のとなりのコモンルームでは、のんびりとネットをしている人や読書している学生がいた。学生の夜はこれからが本番だ。食事の後、コモンルームでゲームをしたり、大学内のシアターで映画を見たり、バーに行ったり(21歳以上限定)、夕方から朝までオープンしているカフェでおしゃべりを楽しんだりと寮生活をエンジョイしている模様。
う〜ん、テスト前は死ぬほど大変そうだが、やっぱりアメリカの大学は楽しそうだぞ。